雨後の月

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広島の梅酒「雨後の月」をいただきました。

清酒純米酒)に南高梅のピューレをくわえた濁り酒です。

本当においしくてつい飲みすぎてしまうので注意が必要です。

とろりと甘いお酒だけれど、調子に乗ると足をとられます。

食前に少しいただくのが良いと思います。

 

それにしても日本酒の名前は趣がありますね。

「雨後の月」は、徳富蘆花の「自然と人生」からつけられたそうです。

「雨上がりの空に冴え冴えと光り輝く月が辺りを明るく照らす」ような

そんな澄み切ってうつくしい酒を醸したいという蔵元の心意気が伝わってきます。

 

 

戸を明くれば、十六日の月桜の梢にあり。

空色淡くして碧霞み、白雲団々、月に近きは銀の如く光り、

遠きは綿の如く和かなり。


春星影よりも微かに空を綴る。
微茫月色、花に映えいじて、密みつなる枝は月を鎖ざしてほの闇く、

疎なる一枝は月にさし出でてほの白く、風情言ひ尽つくし難がたし。


薄き影と、薄き光は、落花点々たる庭に落ちて、地を歩す、

さながら天を歩むの感あり。
浜の方を望めば、砂洲茫々として白し。
何処やらに俚歌を唱ふ声あり。


又 已にして雨はらはらと降り来きぬ。やがてまた止やみぬ。
春雲月を籠こめて、夜ほの白く、桜花澹たんとして無からむとす。

蛙の声いと静かなり。

 

花月の夜
徳冨蘆花

 

美しいでしょう。

大好きな詩です。

 

 

自然と人生 (岩波文庫)